カンボジアミステリー探求シリーズ : 168の謎

町中で頻繁に見かける「168」という謎の数字。バス会社の社名だったり、ローカルカフェの名前だったり──

はじめ番地表示かと思った「168」。その割には目にする頻度が多すぎ。同一オーナーのグループ企業かとも考えましたが、バス会社かと思えばいかがわしいマッサージ店まで、業種に幅がありすぎます。

結論から申し上げると「168」とは、中国語の「一路発」(永遠に繁栄し続ける)の発音にかけた縁起モノの数字。中国人にとっては大変有難い組み合わせです。

「カンボジア人が何で中国語の組み合わせを有難がるの?」

──と首を傾げた皆さん。遥かベトナム戦争以前から、カンボジアには中華系の移民が沢山移り住んでいます。「おじいちゃん、おばあちゃんが中国人」みたいなカンボジア人はさほど珍しくありませんし、政財界も中華系にガッチリ握られていて、中国からの投資額は日本の約10倍とも言われています。

「中国を脱して次の投資先へ!」「チャイナ・プラスワン」なーんて、進出した先が実は中国の属国だった──なんて、洒落にもなりませんが……。
(文・本因坊)



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