北タイ取材記 : バイオレンス・チェンマイ その5 チャクザに憧れるデンジャラスボーイ
チェンマイで見かけた不良少年。尖っていたけど、どこかまったり田舎のDQN。
古都チェンマイ。おだやかで、雄大で、静かで、小鳥のさえずるイメージが浮かんでしまいますが、薄皮一枚ひっぺがすと、バイオレンスな裏の顔が見えてきます──。
超巨大なチェンマイのバスターミナル。鉄道旅行は趣味の世界、従って現実的なチェンマイの表玄関はこちらとなります。
オカマの車掌をはじめ、ありとあらゆる人間がごった煮状態の不思議な場所。特にバイオレンスを求めていたわけではありませんが「チャクザ」という不思議な清涼飲料水の広告がやたら目につきました。
不良っぽいイケメンが「オリジナル」と刻印された謎のバットを振り回す恐ろしげなイラスト。一体どんな飲み物なのでしょうか……。
調べてみると、タイの緑茶飲料大手「OISHI」が発売した、緑茶と炭酸ソーダを「違和感なく」統合し「爽快感のある」健康飲料に仕上げた新感覚の飲み物。ネーミングの由来はズバリ「茶」と「ヤクザ」。これにソーダを意味する「ザー」を組み合わせたユニークな商品名だそうです。
同社は今後5年間の主力商品と位置付けているそうですが、仮に伊藤園が「茶とヤクザ」を融合したユニークなネーミングの新商品を出した日には、たぶん非難殺到で三日以内に回収されるでしょうから、タイならではと言えそうです。
バス待ちの人々を眺めていると、白いギターを抱えた鋭い眼差しの少年が目に入りました。チャクザを飲んで不良の道に目覚めたのでしょうか。今からでも遅くない。故郷に帰って畑仕事を手伝いなさい。そう思いました。
(文・クーロン黒沢)
Chiang Mai Bus Terminal
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