プノンペンの喫茶店で有名毛唐と遭遇

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プノンペン市内のディスコやカラオケ店が一方的に禁止対象とされて数週間。

まず、命を削りながら遊んでいたヤク中の中国人たちが行き場所を失い、オロオロしながらも終夜営業のカフェに集い、座りながら延々首を振っている‥‥。こんな情報が入って数日。下條君が昼飯を食いにいこうと言うので、以前から気になっていた 63ストリートの果てにある怪しげな店に出向いた。

恐る恐るタコスを注文して数分後。店の奥から小柄で貧相な毛唐が一人近寄ってきた。しかも踊りながら! で、もごもご口を動かし「ダダダズチャーン」などとせわしなく呟いている。一瞬、殺されるのではないかと身構えたが、奴は手にした小さなビラをテープルに置くと、再び踊りながら去っていった。ウェイトレスはニヤニヤしながら毛唐を眺めている。

実はこの毛唐。かなり古い時代からの顔見知りだ。会話したことは一度も無いが、四年以上も前から風俗店の店先などで何度も目撃している。ただの女好き毛唐かと思いきや、テレビでなんとなくローカルチャンネルを観ていた際、ローカル予備校のコマーシャルに外国人講師役で出演しているのを偶然発見。本当に教えているのかどうか怪しいが、只者じゃないのは確かなようだ。

毛唐のビラには「クイズナイト」と印刷されていた。この店では週一ペースでクイズ大会をしているらしい。ところでクイズ大会って楽しいのだろうか‥‥。ビラに店のサイトらしきURLが印刷されていたので帰って繋いでみたら、そこでもしつこくクイズ大会を宣伝していた。

この店、奥には横になれるスペースがあったりして、よれている最中の人にうれしい仕掛けがいっぱい。なかなかいい店だが、夜になると周囲は真っ暗。強盗さんいらっしゃいといった感じの雰囲気ムンムン、スリルを求める人にはもってこい。タコスも美味しかったです。

余談だが、ビラには「3rd Annual」とも印刷されていて、これを読んだ下条君が「三回アナル?」とブツブツ言っていたのも印象的だった。
(文・クーロン黒沢)



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