プノンペンで国士無双をアガるとどうなるのか?
世界むるるん紀行も第三回を迎えた冬の終わり。皆さん寒いですか? こちらは外に出る気も失せる高温多湿。
どこかにも書いたように、高校時代の私は魔物にとりつかれたように柘植久慶の傭兵本、毛利なんとかの外人部隊本、それに加えてザ・殺人術等の電波書物を買いあさり、半狂乱で読み漁っていた。
その後、これらの愛読書をわざわざ外国まで運び、季節の変わり目に再読していたものだが、そろそろ卒業しようと思い立ち、去年の秋頃、カンボジアの某外国語学校にまとめて寄贈(匿名で)。明日のカンボジアを背負う若き獅子たちのために──。
さて、寄贈したはいいものの何だか寂しくなって、アマゾンで二冊目を買ったりしている今日この頃です。というわけで、次の企画はこの路線で行きたいものである。
さて、1月は新しい企画を考えたりしつつ、国士無双を振り込んだりしてました。
私はリーチ。D君は国士テンパイと公言していたので、他の二人は勝負を降りていた。しかもD君は私に「待ちは9ピンだから」とにやけた口調でなめた宣言。
しかし、その9ピンは私の手持ちに三枚あった。無理だよ無理。確率的に死んでも上がれねーよバカ……と密かに思っていたものの、そんな私が山からツモったのは四枚目の9ピン……。で、ショックだったのか何なのか、なぜかそのまま捨ててしまった瞬間、荒い息で喜びを噛みしめたD君が牌を倒す。
10秒後、「なんでカンしなかったの?……」と点棒受け渡しの最中に半笑いで指摘され愕然。そうだよ……なんでカンしなかったんだ! バカは自分か! ドラも増えるのに!
だが、国士を上がったD君。
「この町で役満和了ると必ず不幸な事件に巻き込まれる」という不吉な噂通り(現に何名か、その通りになっている)、三日間のうちにバイクにはねられ転倒、腰を痛めて按摩に行ったらチンコばかり指圧され激怒、現地人に絡まれ、両手に怪我して飛行機に乗り遅れ、しかもFIXチケットだったので買い直し。という目に遭った。
事実は小説より奇なり。
以前、私が七巡目くらいで国士をテンぱった際、目の前で意味もなく九萬をカンされたときは軽い殺意すら覚えたものだが、和了れなくて良かった。としておきましょう。
(文・クーロン黒沢)