エネマグラ教典の没原稿:純血運動について

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「エネマグラ教典・ドライ・オーガズム完全マニュアル」
太田出版 クーロン黒沢・ポッチン下条

ドライ・オーガズムのいい話が300ページオーバー。ひとりでできる禁じられた快楽のすべてをここに集約! 将来、日本に始皇帝やヒトラーのようなタイプの指導者が現れた場合、焚書にされてしまう可能性大! 燃やされる前に書店で一冊どうぞ。

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このページが日の目をみる頃、太田出版よりひっそりと密売されている「エネマグラ教典」ですが、おさめきれなかった没原稿が沢山ありまして、捨てるのも勿体ないのでここでこっそりと公開して、雰囲気だけでも知ってもらいたいと思うんですが、所詮没原稿なので本の内容とはあまり関係なかったりして。

[注]
本書はオナニーを禁ずるのではなく、あくまでちんぽこを握ることなく、別の視点から宇宙的な究極の快感(通称・ドライ・オーガズム)に近づこう。という趣旨です。念のため。

b1暗黒時代・オナニーは犯罪であった。

a0だそうです。

a1淫乱書籍・淫乱ビデオは私たちの敵。だそうです。

a2署名しますか。ハハハ

純潔運動

エネマグラの存在を知ってからというもの、数年前までさっぱり理解不能だった「純潔運動」に対する興味がむくむくと湧いてきた。

純潔運動というものを知らない方にそっと教えると、たまに、血糖値が下がりすぎてフラフラしているときなんかに、駅前なんかでうっかり「純潔キャンディ」とかいう怪しげな飴玉とチラシを貰ってしまうことがあるかもしれない。 あれのことである。

キャンディ同封のチラシを読んでみると、好き好んでこんな薄汚い本を読んでるあなたのような人を「不純でけがれた人間」と糾弾する言葉で満ち溢れている。 まさに今から駅前のヘルスへ抜きに行く途中の人など、チラシを見て意気消沈。そのまま予約を取り消して教会へ祈りに行きたくなってしまうかもしれない。

彼ら曰く、男も女も結婚するまで童貞・処女でなくてはならない。淫乱ビデオを観ながらセンズリするなどもってのほか。汝、結婚してからも生殖以外の目的で交わるなかれ、しごくなかれ。と、極端に書くとそんな感じで、これを純潔思想と呼ぷ……。

その崇高・高潔な思想のため、軍団はキャンディを配りつつも、顔色悪いくせに妙に元気はつらつなメンバーを総動員してデモを行ったり、なにかと忙しい。これが即ち純潔運動なのだ。
駅前で熱心にアメを配る彼らの背後には、壺を売りつけたり、合同結婚式を開催したり、珍味や麦コーラ、最近では弁当とか家庭教師の業界にも進出中な韓国の某宗教団体がついているのだが、あえて名は伏せる。つーか、誰でも知ってることなので今更伏せる必要も無いのだが、念のため。

この某宗教団体にとどまらず、キリスト教は右(右派)に行けば行くほど、手淫を「愛の無い利己的な悦楽享受」つまり神に対する反逆として定義する傾向にあるようだ。海外の宗教掲示板を見ていると、21世紀の今に至るも「手淫は罪ですか」というどうでもいい質問が大真面目に議論されていることに驚かされる。

欧米では手淫を「聖書の教えに反する罪」と思う人が今もなお少なからずいるようで、仏教徒の私たちは「?」と思ってしまうも、彼らは真面目も真面目。対極に「オナニーは神様からの素晴らしい贈り物です」という声もあり、両者は敵対関係にある。どちらが正しいかはともかく、お互い譲る気配は全く無く、同じ議論があと数千年は続きそうだ。

オナニーをやめる方法!?
米国の反オナニー派が提案する
虚ろな12か条

1.毎日神に祈ろう! 誘惑が強い場合は熱心に声を出して祈るんです。神があなたに与えた身体に感謝しながら。でも自分の身体はあまり見ないように。

2.毎日トレーニングで身体を鍛えよう! 誘惑を感じる場合は肉体的活動を倍にすればいい。でも自分の身体はあまり見ないように。

3.誘惑が強い場合、したくなってきた場合、できるだけ大声で好きな聖典を叫ぶか、又は歌おう。利己的な快楽の誘惑から遠ざけてくれるよ。

4.小さなカードに「ポケットカレンダー」を作り、自慰をしてしまった日には黒い印をつけよう。カレンダーは常時携帯して、さらに黒い日を加える誘惑にかられたときに見て自分を鎮め、少なくとも澄み切った三ヶ月を過ごすまでは持続させよう。

5.シャワールームは誘惑にかられがちな場所。孤独にならないよう、バスルームのドアやシャワーカーテンは部分的に開いておくようにしよう。

6.香辛料や調味料は控えめに。夜は軽い食事を心がけよう。

7.脱ぐのが困難なパジャマを着よう。ゆるかったり、反対に下腹部を締め付けるようなものは着ないこと。ブリーフなんて、もってのほか。

8.性的興奮を誘うような読み物は回避すること。

9.誘惑に耐え切れなくなったときは、半睡眠状態で自慰を行わないようベッドのフレームにネクタイ等で両手を結びつけることが必要。その際はズボンを重ね着するなどして、更なる防御策をとる。

10.正常なトイレ・プロセス以外、あなたの身体の親密な部分には触れないこと。

11.入浴時など、鏡に自分の身体を映さないようにしよう。バスルームには長時間留まらないこと。五分程度が望ましい。

12.あなたの心が常に健全であるように、普段から良い本(教会の聖典など)を読むように心がける。

以上。がんばってくれたまえ。
(文・クーロン黒沢)



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