PP隣の昼ごはん : 100円ランチは吉野家の味 | 名もない鉄板焼屋
セントラルマーケットにほど近い路地裏に、近隣のリーマンを癒してやまない女だらけの定食屋があった! 安くて美味しくて飽きない味。
半年前まで、屋台に毛の生えたようなお店でした……。
今回ご紹介するお店を切り盛りする小太りのおかみ。煤で真っ黒になった壁を背に、鉄板で焼いた牛肉と玉ねぎに玉子をのせた定食(メニューはこれだけ)を、ライスとセットで1ドルという激安価格でひたすら売り続けた末、遂に隣の店を買収。リニューアルオープンを果たしたという、コツコツやれば報われる──を地でゆくサクセス・ストーリーの持ち主です。
この一帯、一本となりの通りは町一番のオフィスビルがそびえる銀行街。大企業の本社ビルも軒を連ね、ランチタイムは周辺の道路が会社員で埋め尽くされる、飲食業においては超好立地。その割に画一的な食堂ばかりで、ここを知らない頃は、毎日毎日チャーハンとクメール惣菜で、正直うんざりしていました。
しいて言えば、この店のそばにとっても美味しいダックライス屋さんがあるにはありますが、味は良くても衛生的に全然ダメで、私を含め、足を踏み入れた日本人は全員お腹を壊しています。味は良いのでぜひ紹介したいけど、再訪する決心がつきません……。
話を戻して鉄板屋さんですが、こちらで腹を壊したことはまだありませんのでご安心を。私、この近所で働いていた頃は、こちらの鉄板屋にほぼ毎日通い、それこそ身体の細胞が全てこの店の定食によって形成された日もあったのでは? と真剣に考えるほどの回数でした。
リニューアル後、ほんの少しメニューが増えましたが、主力メニューは相変わらずの鉄板定食。ジュージュー湯気を立てつつ供されるそれは、飯付き4500リエル(ほんの気持ち値上げ)とは思えないリッチな外観。味は濃い目の吉牛といった感じで、毎日食べても飽きません。
ケータイ片手に調理する看板娘は最近マスク着用でほとんど顔を見せてくれませんが、機嫌の良い日は輝く笑顔を見せ、リーマンたちの心に潤いを与えてくれます。
(文・クーロン黒沢)
名もない鉄板定食屋
早朝から昼過ぎまで
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