異文化探訪 : 超マイナー言語「山の言葉」
クメール語よりもマイナーなモンドルキリの少数民族言語「プノン語」。御存知ですか?
プノン語とは「山の言葉」を意味します。
つい先日ご紹介した「カンボジア輸出入一州一品展示会」にて、山岳民族の工芸品を展示していたNGOを発見。展示ブースの奥で所在なさげに座っている、ちょっと田舎臭い女の子ふたり。聞けば、モンドルキリから来たプノン族だそうです。
カンボジア東部のベトナム国境沿いにひろがるモンドルキリ州。州都はセンモノロム。標高800メートル程度の山々が連なる高原地帯。カンボジアで最も広大かつ最も人口が少ない州。州の人口は4万人。うち80パーセントが10の少数民族からなり、プノン族が最も多いとされています。
モンドルキリに少数民族がいるのは知ってましたが、面と向かって話すのは初めてかも?
とりあえずカンボジア語で挨拶すると、もじもじしながら微笑むばかり。傍にいた人が「彼女らはカンボジア語とプノン語が分かるんだよ」と教えてくれました。
プノン語? そんな言語がこの国にあるのか! と興味が湧き、即席のプノン語講習を受講。私、プノン語検定六級です。免状はありませんが……。ということで、絶滅寸前と言われるカンボジアの少数民族言語・プノン語を本邦初公開!
ありがとう ナゥン・プーンム
これひとつ覚えておけば、とりあえず国境付近を楽しく旅行できると思います。
どこから来たの? ブタ?
最初に教わったのがこれでした。インパクト十分。なかなか忘れられません。ブー、ブー。
はい/いいえ アウ/レィク・バッ・オッ
「はい」は完全にベトナム語の「はい」と同じ音。地理的に近いもんね。モンドルキリとベトナム。
これなに? ヤー・モン・タウ?
この言葉覚えておくと世界が広がります。でも、ものすごく限られた地域でしか通用しませんが。
こんにちは ウェ・ラン
さようなら チェット・ウーイ・ウッ
プノン語って「ウッ」とか「ウェ」とか、軽く吐きそうな音が多いです。
助けてー! カッ・フーィ!
あっちにはピューマやら野生の象がいるそうです。遭遇した際はぜひこの単語を叫びましょう。密林の奥からプノン族が助けに来てくれるかもしれません。
きれい ウェッ・ガン
通じちゃったら、それはもう運命の人ということで。
近頃、カンボジア語を流暢に操る日本人も増えてきましたが、ここはひとつ差をつけるため、プノン語を覚えてみるってのも、いいかもしれません。ブタ。ブタ。アウ。アウ。チェット・ウーイ・ウッ。
(文・本因坊)