北タイ取材記 : 魔界遺産認定 チェンマイの伝説食堂「さくら」で夕食を!

1996年頃、プノンペンに「京都」という異次元食堂があった。チェンマイの伝説はまだ生きてます!

日本人の年金生活者で溢れるチェンマイには、高級店からそうでない店まで、沢山の日本食レストランが軒を連ねています。

ですが、私が初めてチェンマイを訪れた90年代、安い値段で和食っぽいものを食べたければ、「さくら」と「宇宙堂」という二つのお店しか選択肢がありませんでした。

貧乏駐在員、バックパッカー、得体の知れない長期滞在者が隣り合わせのテーブルで、ローカルナイズされた怪しげな和食に舌鼓を打ち、普段ありえない異カースト間の交流が生まれることもありました。

しかし時が過ぎ、日本人の増加とともに和食競争が激しくなると「さくら」と「宇宙堂」は苦境に立たされます。なぜなら、値段と量はともかく味はイマイチ。気がつけばお店も客層も煤けきっていました。

宇宙堂はその後、惜しまれつつ閉店。しかしながら創業1990年の「さくら」は、ターペー門から徒歩一分という一等地の割に薄暗い路地で、未だ静かに営業中。

書棚のマンガ本はくたびれ果て、触れたそばから粉末化してしまいそうですし、額縁に商品券が挟まっていたり、どんな料理にも必ず供されるマヨネーズのチューブに、なぜかいつも七、八粒のとびこが付着していたりと、謎を挙げればきりがないお店。でも、私には逆にそれが新鮮でした。

そんな訳で、我らシックスサマナはチェンマイの「さくら」を魔界遺産に認定。皆さんもタイ北部にお出かけの際は、ぜひ「さくら」で一味違うお食事を!
(文・クーロン黒沢)

さくら

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“北タイ取材記 : 魔界遺産認定 チェンマイの伝説食堂「さくら」で夕食を!” への4件のフィードバック

  1. Hero より:

    いやー、クーロンさんは相変わらず文章がお上手ですね~。
    昔「幻の国」を読んで感動して幻の国に入り浸った頃を思い出します。ここ、サクラに来るのは初めてですが、チャイナタウンの
    「北京飯店」を彷彿とさせます。共に味は今二ですが、マッタリとして好きですね~。

  2. icomn2542 より:

    1999年以来あのボリュームは変わっていませんね。(特に天ぷら定食)
    有山パパさん2007年に亡くなられてから丸テーブルの常連さん達は来なくなったみたい。
    個性豊かだった当事の常連さん達(赤さん青さん等)今も元気で滞在されているのでしょうか?

    宇宙堂は何処かへ移転してその後閉店したらしいですね。(さくらと店の雰囲気や客層が違っていたので入り難くかった。)

  3. NINJA300 より:

    チェンマイは少女売春の町から日本人引退者の町になりました。ここは量が目茶多いのが長所です。でも、あまり沢山たべるのは身体によくないと思う。ふとるよ、クーロンさん。

  4. @globe2554 より:

    北タイ取材記 : 魔界遺産認定 チェンマイの伝説食堂「さくら」で夕食を! http://t.co/EEsiAwdSWY 魔界とかひどすぎ。。。でも宇宙堂は懐かしい

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