総工費500万ドルの巨大葬儀場 まもなく完成の見込み

王宮横の前国王葬儀場。いよいよ全景が見えてきました。残すところ一ヶ月。追い込みの真っ最中です!

シハヌーク前国王死去から約三ヶ月。今年二月初旬に予定されている火葬の儀式を控え、予定地とされた国立博物館前広場は全面立入禁止。約400名の人足が連日昼夜ぶっ通しで、この国の常識ではありえない突貫工事を進めています。なんてったって、総工費500万ドルですから!

工事を取り仕切るのはローカル系建築会社VISPAN。どこぞの偉い人の娘さんがオーナーで、首相府の建設も手がけた由緒正しい建設会社です。つまり、動員された現場監督以下400名。工期の遅れはすなわち人生この先お先真っ暗を意味します。

カンボジアの建築現場を見慣れた私には信じられないことに、私語もなく黙々と作業に没頭しています。まるでクマエじゃないみたい……。

拙者が撮影していると、早速、張り付きの警官が職務質問。しまいには四方の仲間に無線連絡され、終始監視付きの取材となりました。

実際、現場を見るまでは「どうせ書き割りの掘っ建て小屋みたいな感じだろう」と勝手に思っていましたが、もしかしてもしかすると、ハリウッド映画級の凄まじいモノができる予感。とはいえ、実際に遺体を燃やしてみたら建物ごと燃えてしまいそうな一抹の不安も残ります。

取材の途中、式場の塔をじっと見つめる高齢女性の姿がありました。見た目から察するに前国王とほぼ同年代のその女性。いったい何を思い塔を眺めていたのでしょうか?
(文・木村五衛兵)

葬儀予定地

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