お誕生日プレゼントって難しい

kattun

久々に近況らしいことを……。先日、知人の娘さんの誕生日だった。前々からお世話になっている人のお子様なので、なにかプレゼントでも贈らなければ。誕生日の前日には件の知人と、

「明日、娘さんの誕生日ですよね。なにかプレゼントおくりますから」
「いやいや、気にしないで……」
「とんでもない! 楽しみにしてくれと伝えてください!」

みたいなやりとりもあって、何としても贈らなければ面子丸つぶれ。みたいな状態にあった。

お子さんは中学生。私は今まで中学生の娘に物などあげた経験がないもんで、ひどいプレッシャーを感じていた。しかもここはプノンペン、買えるものも限られている。

まあ、当日用意すれば余裕だろ……とか油断していたら、前日徹夜だったせいで、誕生日当日の夕方に目が覚めた。誕生日は残すところ6時間。相手の家まで持って行く手間と、この国の商店が閉まる時間を考慮すると、あと1時間以内にカタをつけなければならない。

急いで顔を洗い、着替えて外に飛び出した。既に日は沈みかけている。おっと、財布を忘れるところだった。私としたことが……。でも、すんでのところで思い出しただけマシだよな。と、20分ほど移動して市内のデパートに到着。四階まで上がって、なにかとてもいやな予感がしたので財布を出して中味を改めると、5ドルしか入ってなかった……。5ドルしか!

デパートとはいえプノンペン。クレジットカードが使える店はない、絶望に打ちひしがれながら、汗びっしょりで辺りを見回した。この付近で、5ドルで買えるものといったら。

・XBOXのコピーソフト1本──ゲームはしないらしい
・現地歌手のカラオケVCD──嫌がらせだと思われるかも
・壺、皿の類──上に同じ
・海賊版の映画DVD1枚──英語版だ
・飴
・ハンバーガーセット──プレゼントにはちょっと
・得体の知れない靴──サイズがわからない
・中国人のアイドルカレンダー

といった感じで、まさに八方塞がり。電気店にipodの収納ケースが売っていたので、そういえばipod持ってるみたいだからこれなんかどうだろう……と、値札を見ると35ドル。万引きでもすればよかったのかもしれないが、盗品を渡すのもどうかと思い私は途方に暮れた。

途方に暮れるうち、下っ腹が痛くなって、脂汗が出てきた。ますますあせってウロウロするうち、釣り竿とか電動ドリルとか、わけのわからないものを手に取って眺めている自分。帰ろう!

家に帰ってトイレに駆け込み、深呼吸してからamazonに繋いで、とても安易なものをカートに放り込んで、知人宛てに発送させました。もちろん「お誕生日おめでとう」のギフトメッセージを添えて。

到着は来月後半の予定だそうです……。
(文・クーロン黒沢)



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