カンボジアトイレ百景 : プノンペン公衆トイレ事情

この機会に公衆トイレならではの礼儀、慣習を頭に叩きこみ、現地でトイレ通を気取りませんか?

プノンペンにも少ないながら公衆トイレがあります。イベント等で目にする仮設タイプから常設タイプまで様々。仮設がそのまま常設化するケースもたまにありますが……。

今回、拙者が訪ねたトイレはプノンペンでも比較的メジャーなシハヌーク通りの常設タイプ。利用客も多いです。

トイレ自体は水洗で、ほどよく衛生的であり、独特な配管手法を用いていることを除き、概ね使いやすそう。日本の公衆トイレでお馴染みの怪しい落書きや、どこに繋がるのか謎な電話番号も無く、実に健全です。足りないことだらけのプノンペンで、ここまで立派な公衆トイレを作ったお役所に拍手しましょう。パチパチパチ。

ひとつだけ気になることと言えば、トイレ全体に漂うシャンプーの香り。実にいい香りですが、トイレの前で観察していると、次から次へ、髪の毛を濡らしたさっぱり顔の若者が出てきます。あれ? 頭洗ってる? 男性だけではなく、湯上り風の女性もさっぱり顔でバイクにまたがり、夜の町へ消えてゆきます。びっくりです。

さて、日本の皆様には馴染みのない知識ですが、カンボジアのトイレには八百万の神々が住み着いております。大抵は薄汚い格好をしたおばちゃんを装い、トイレの前で番頭よろしくティッシュなどを販売しております。時たま家族総出でトイレの前に陣取る神々もいますのでご注意を。

トイレの前に神々の姿を認めたら、心づけのお布施を渡すのがマナーです。神様も苦労しているんだと自分に言い聞かせながら。

悪気もなく、当たり前のように路上放尿する衛生観念の欠如した人がいると思えば、公衆トイレでシャワーまで浴びてしまう潔癖症の人々。もう、この国なんなんでしょうか? 結論。トイレをどうこう言う前に、やることは山積みのようです。
(文・木村五兵衛)



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